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雑記と主にテニプリ&気の向くままのジャンルのSS(ベーコンレタス)を置いています。
2009/02/27(Fri)23:03
(※注意※ オリジナルキャラ視点)
『Caffee Alice.』
それがその店の名前だ。
友人に待ち合わせ場所として指定されたカフェは、駅前からちょっと裏道に入った場所にあった。
シックで西洋の町並みにありそうな、気を前面に出した外装は、
綺麗さゆえの厳しさを醸し出すとともに、優しい微笑みを浮かべていた。
外から見るに、店はさほど広くは見えない。
扉の横に引っ掛けてあるプレートには筆記体で「Caffee Alice.」と書いてある。
ここで間違いないな。
扉に手を掛けると、どうやら手前に引く扉のようで、引くと、ちりん、と小さなベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
声が幾重にも重なって聞こえた。
なかには間延びした声もある。
中に入ってみると広くは見えなかった店内は、無駄なものがないシンプルな内装で、
ゆったりとした時間が流れていた。
だからか、店は広く見えた。
カウンターは数席、テーブルは十セットくらいだろうか。
テーブルもイスもセットなのか、素敵なアンティーク調。
「お一人ですか?」
初めて入った店だったので、ずいぶん店内に気をとられていたが、
声をかけられ視線を自分の目の前に持ってくると、ウェイターさんが微笑んで立っていた。
二十代には見えない。十八才くらいだろうか。
眉尻が急に下がっていて少し気弱そうな印象も受けるが、
このお店の雰囲気と合わせると、ここで働いていて当然のような気がした。
「いえ、友人が一人、後で来ます」
「では、こちらへどうぞ」
案内された席は窓側の木漏れ日があたる席で、お昼前の陽気がぽかぽかと暖かかった。
不謹慎ながら、友人が少し遅刻してくることを願った。
No.64|テニス、その他。|Comment(0)|Trackback()
2009/02/11(Wed)21:20
No.63|比嘉。|Comment(0)|Trackback()
2008/11/12(Wed)22:21
銀謙
空は高く、からりとした青が視界に広がる。
時折真っ白い雲が青に映えた。
速さは陽気に似合いゆったりとしていて、陽が射す中で伸びをすると、
縮こまっていた皮膚の隅々にまで太陽の光が当たるような気がした。
上がっていた踵をつき大きく息を吸い込むと、
雨上がりのあの独特な、水分をたっぷり含んだ空気が身体の中に入ってきた。
雨のせいで溜まっていたもやもやを洗い流してくれそうだ、と謙也は思った。
その原因は、その雨だったのだが。
今日は久しぶりの晴れで、そして久しぶりの部活だ。
久しぶりと言うにはどうにもおかしいが、雨の間、室内の練習だけだったので、
外を走り回ってテニスをするのが好きな謙也には、今日の晴れが何よりのことなのである。
晴れた空をもう一度仰ぎ見ると、先ほど見上げていた時には視界になかった、
真っ白く大きな入道雲が視界の左端に見えていた。
入道雲は青に埋もれることはなく、むしろ青に推されるような、
また、青の存在を知っているかのように堂々と自分を誇示しているような、そんな感覚があった。
何や、誰かに似とるなぁ。
その白さや堂々とした出で立ちに白石が頭に浮かぶが、
どこか違って、空気の中へ放ってしまう。
ふわふわとゆったりした感じに千歳が頭に浮かぶが、
これも違い、空気の中へ。
あの誇示した感覚に金太郎が頭に浮かぶが、
白という色が絡まず、また空気の中へ。
誰やろか。
足元でバシャバシャと水と弄び、頭を捻りながら部室に向かうと、扉の前で声を掛けられた。
低く、されど心音のように安心できる声。
「ああ謙也、遅かったな、もうみんなコートに行っとるで」
ああ、そや、分かったぞ。
「謙也?」
全速で駆け抜けた先には先ほど踏んだ水溜り。
しかしそれをも越えて駆け抜けると、眼上にあの大きな白い入道雲。
「入道雲を見て思い出すなんや、重症やろー!」
大きく叫ぶが、空と雲の大きさには勝てず、声は空気の中に拡散された。
No.59|四天宝寺。|Comment(0)|Trackback()
2008/09/26(Fri)21:48
No.58|比嘉。|Comment(0)|Trackback()