[PR]
2024/11/22(Fri)21:03
雑記と主にテニプリ&気の向くままのジャンルのSS(ベーコンレタス)を置いています。
2024/11/22(Fri)21:03
2009/02/27(Fri)23:03
(※注意※ オリジナルキャラ視点)
『Caffee Alice.』
それがその店の名前だ。
友人に待ち合わせ場所として指定されたカフェは、駅前からちょっと裏道に入った場所にあった。
シックで西洋の町並みにありそうな、気を前面に出した外装は、
綺麗さゆえの厳しさを醸し出すとともに、優しい微笑みを浮かべていた。
外から見るに、店はさほど広くは見えない。
扉の横に引っ掛けてあるプレートには筆記体で「Caffee Alice.」と書いてある。
ここで間違いないな。
扉に手を掛けると、どうやら手前に引く扉のようで、引くと、ちりん、と小さなベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
声が幾重にも重なって聞こえた。
なかには間延びした声もある。
中に入ってみると広くは見えなかった店内は、無駄なものがないシンプルな内装で、
ゆったりとした時間が流れていた。
だからか、店は広く見えた。
カウンターは数席、テーブルは十セットくらいだろうか。
テーブルもイスもセットなのか、素敵なアンティーク調。
「お一人ですか?」
初めて入った店だったので、ずいぶん店内に気をとられていたが、
声をかけられ視線を自分の目の前に持ってくると、ウェイターさんが微笑んで立っていた。
二十代には見えない。十八才くらいだろうか。
眉尻が急に下がっていて少し気弱そうな印象も受けるが、
このお店の雰囲気と合わせると、ここで働いていて当然のような気がした。
「いえ、友人が一人、後で来ます」
「では、こちらへどうぞ」
案内された席は窓側の木漏れ日があたる席で、お昼前の陽気がぽかぽかと暖かかった。
不謹慎ながら、友人が少し遅刻してくることを願った。
No.64|テニス、その他。|Comment(0)|Trackback()
URL :