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2024/11/22(Fri)15:57
雑記と主にテニプリ&気の向くままのジャンルのSS(ベーコンレタス)を置いています。
2024/11/22(Fri)15:57
2010/06/28(Mon)00:58
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「おや、お帰りなさい」
ソファに腰掛け本を読んでいた柳生がこちらを向いて言葉をくれた。
すぐさま栞を挟み腰を浮かせて立ち上がろうとするが、
それを止(とど)めて掛けられた言葉と対の言葉を口にする。
両手に持っていたレジ袋を台所に置いて、柳生のそばに近寄る。
「飯、食べたか」
「ええ。珍しく真田君たちに誘われたので、外で」
「そうか」
そう言われてみると微かに酒の匂いがした。
ふわりと笑うので軽く酔っているのだな、と確信する。
髪をくしゃりと撫でると、何ですか、と見上げられた。
なんでもない、とそばを離れて、台所へ行き、
置きっぱなしにしておいた食材たちを冷蔵庫へと移動させ始める。
途中柳生に目を向けると、本の続きに目を走らせていた。
がさがさがさ。ぺら。がさがさ。ぱたん。がさがさがさ。
袋擦れと紙擦れの音だけが響く。
すべて仕舞い終えて、ソファの前にあるローテーブルに手をつきながら座る。
することもないし、柳生の読書の邪魔になっても嫌なのでテレビもつけずにぼーっとしていると、
柳生が身じろぎしたのが視界の端に見えて、視界にとらえたまま無意識に見つめてしまう。
相変わらず姿勢良くきっちりを座って、
酔っているなんて微塵も見せないくらい真剣な顔で本を読んでいた。
柳生はこちらの視線には気づかないようで、ずれた眼鏡を曲げた指の背で持ち上げた。
そしたらなんだか唐突に眼鏡に隠れている目を間近で見たくなって、
ソファににじり寄って手を置き体重をかけると、軋んだ音が立った。
「どうかしましたか?」
身体が傾いたことで気づいたのが、本を閉じて膝の上に置くとこちらを見る。
腕をつっぱってそのまま顔を近づけると、柳生は頬を染めて顔をすこしだけそむけた。
そういう態度をとるなら、とひどく的外れな思いを持ちながら、眼鏡のツルを噛む。
そのままがしがしと甘噛みすると、眼下でいちいちびくびくと反応する柳生が見えた。
時折耳に息が吹きかかるからだ。
がちがちに震えて動かなくなったのを見てから、肩を掴み、こちらに向けた。
実質オレと付き合ってる期間は長い。
初々しいとまではいかないが、慣れてきたとはいえ、柳生はいつまでもこういう行為におびえる。
端的にいえば、恥ずかしがり屋なのだ、柳生は。
「比呂士」
囁くとうっすらと目をあけてこちらを見る。
薄く水膜が張っているのは気のせいではないだろう。
そして、酒と雰囲気に酔っているのは確実だ。
柳生のせっかく開いた目がまたぎゅっと塞がれる。
オレの舌は柳生自身ではなく、眼鏡のレンズの上を這う。
「え、あ、」
今までしたことのない行為におびえ、慌てる柳生。
両方のレンズを幾度か往復してからすこし顔を離して見ると、レンズは唾液でベトベトだった。
それを見た途端、すごい満足感に満たされて、
まだ柳生がおびえてるのをいいことに、レンズに噛んでそのまま眼鏡を外した。
その後は、たがが外れたように、ただただ貪った。
No.78|立海。|Comment(0)|Trackback()
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