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雑文。

雑記と主にテニプリ&気の向くままのジャンルのSS(ベーコンレタス)を置いています。

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2024/11/22(Fri)15:48

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特等席は君の左隣。

2010/09/13(Mon)00:54

不知新
 
右手で熱に触れる。
ぎゅっと掴むと、仕返しとばかりにもっと強い力で握り返された。
それがとてつもなく胸をくすぐって、自然と笑い声が小さく漏れる。
「ぬーやっさー」
「ううん、ぬーんでぃがらー」
右側に顔を向ければ、知弥が困ったような照れたような表情でこちらを見ていた。
嬉しくてまたつい笑みを濃くすると、
握られた手が軋むくらい掴まれて、ぐいっと前へと一歩ひかれた。
たたらを踏みそうになり文句を言うと、悪びれもなく、わっさんわっさん、と言われた。
「ねぇ知弥」
「ん」
「右手かして」
不思議そうな顔をしながらもこちらに向けて差し出した知弥の右の手のひらに、
左手の指で文字を書く。
わかりやすいように。ゆっくり丁寧に。文字と文字の間には間を空けて。
 
『す き』
 
「・・・やーなぁ」
「あはは」
してやった、と笑ってやれば、手を出せ、と言われ手のひらを向けて差し出すと、
 
『大 す き だ』
 
と書かれてしまった。
書かれた手のひらがくすぐったくて、紛らわすために繋いでいた手を一回大きく振ってみた。
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あとがき

No.79|比嘉。Comment(0)Trackback()

太陽に灼かれて。

2010/05/24(Mon)00:40

不知新(オールキャラ) (新垣誕生日文)
 
時間は沢山ある。それはもう山ほど。学校はあるけれど、授業も部活もないのだ。
いや、実際にはまったく時間がないのかもしれない。
「あー」
「ばぁよ、あったんぐぁ~に声出して」
「ぁぁ、わっさん」
眉根を寄せて振り向かせしまった山城に謝る。
いつもなら山城もこんなことで不機嫌になったりはしないが、
周りを見れば山城のように眉根を寄せて唸っている者もいれば、
解放された表情の者もいるのが見える。
「まぁ、ともアリ一日目はぬーとい終わっのみぐさぁ~な。ごくろーさん」
顔に皺が寄っているのを自覚しているのか、
ふっと力を緩め微笑んでから山城は前に向き直った。
担任が教卓に居るのが見えて、来ていたのかと驚いた。
山城がすんなりと前を向いたわけがわかった。
そう、もう今日が始まって半日以上が過ぎているのだ。
甘えだともわがままだともわかってるけれど、
やはり気にくらいかけてほしいと思うのはわがままだろうか。
現在テスト期間真っ最中。
一日目の今日は金曜日で、土日をはさんだ月曜と火曜に残りのテストが控えている。
明日明後日は奇跡的にも休みで、もしかしたら、という希望と期待がふくらむ。
ちなみに何がとは言わないが、
山城が今日中に思い出すとはもう思っていないので、期待はしていない。
「テストご苦労。無事に一日目が終わっのみぐさぁ~が、
土日や気を緩めずきちんと勉強しておくようんかい。係、号令」
「きりーつ、気をつけー、礼」
『さようならー』
途端にがやがやと騒がしくなる教室内に混じり、
山城と言葉を交わしながら昇降口まで降りていく。
いつもならクラスによって時間差があったり、
部活のある人間とない人間によって帰るタイミングが異なるのだが、
今日だけは皆同じ時間に帰るため、昇降口は人でごった返していた。
となればやはり、他学年とも会うわけで。
「あ、新垣」
「じゅんにやっさー」
「山城もいるな」
「ぁ、先輩たちはいさいー」
「やぁ」
「はいさいー」
平古場先輩・甲斐先輩・田仁志先輩・知念先輩が昇降口の扉のところで集まっていた。
挨拶を交わしながら近づいていくと、平古場先輩に頭をぐしゃぐしゃとかき回された。
手を振り払うことも出来ずあたふたしているのに、
甲斐先輩も田仁志先輩も知念先輩も笑うだけで助けてくれそうになく、
山城もどうしたものかと困った顔で笑うだけだ。
ぐちゃぐちゃだなー、とやっと手を離した平古場先輩が言った。
その髪型が恥ずかしいのと、そうしたのは誰だ、と軽い苛立ちに動かされ、
手櫛で簡単に髪を直す。
「何してるんですか君たち」
「お、山城に新垣」
後ろから声を掛けられ振り向くと、主将と知弥が居た。
主将は髪を軽く撫でつけながら平古場先輩たちに目を向けていた。すこし呆れ顔だ。
知弥は山城に挨拶され、挨拶を返している。
「いやぬーも。ぁえて言うなら後輩とぬスキンシップ」
「君のはスキンシップじゃなくて、軽い嫌がらせですよ」
「確かんかいなー」
「そうか?」
悪びれた様子のない平古場先輩に甲斐先輩と田仁志先輩は笑って、
主将と知念先輩はため息を吐く。
平古場先輩と関わるのは好きだけれど、確かにさっきみたいなときにはすこし困る。
あはは、と笑うと、山城が、友達が呼んでいるんで、と言って別れた。
皆で口々に別れの言葉を紡ぐ。
結局山城からは何もなかったな。期待はしていなかったけれどすこし淋しい。
「で、君たちは帰らないんですか」
「お、じゃぁけーるか」
「やー」
「帰りんかい佐世保バーガー買っていくばーよ」
「慧くん、ヤーん家お昼あるゃん」
「やしが腹減っにみぐさぁ~もんよ」
「けーるか、新垣」
「うん」 
連れられ皆で帰ることになった。
部活がある日と変わらないメンツにちょっとだけ笑った。
それと、この帰り道に誰かが自分の期待している話題に触れないか、
最後の賭けのつもりでもあった。
このあと、今日このメンバーに会うことはないから。
がやがやと雑談しながらいつもの道を通って、
田仁志先輩が言っていた佐世保バーガーは今日は買わずに歩いて、
分かれ道ですこしずつ皆別れていって、
最後はいつも通り、家が隣の知弥と二人になった。
途中、期待していた話題には触れられずに終わった。
昼過ぎの強い日差しが視界を灼く。
期待の気持ちが太陽に焦がされてさらさらな灰になって消える気がしてくる。
「やてぃん、まさか先輩たちとけーるくとぅんかいとなるとや思わねーらんたんな」
「まぁな」
もういいか、と諦めながら知弥と言葉を交わしながら歩く。
知弥は元々口数の多いほうではないから、二人きりになると自然と自分が喋ることになる。
けれども昔からの仲なのでそれは決して苦ではない。
話題がなくなれば黙っていても平気だし、それが通用するからずっと居ても安心できる。
本当は一番気がついてほしい人物なので今日ばかりは喋って欲しいが、
自分からその話題を振るのは強請っているようでいやだった。
そう思ったつかの間、思考に耽ったために黙ってしまって、わずかな沈黙が生まれた。
何を話そうとしたのかさえ、沈黙が連れ去ってしまった。
「そういえば」
知弥が言葉を紡いだ。
すこしばかり慌てていたので助かった。
「ちゅーとぅしびーやたんな、おめでとう」
「覚えてたの?」
「当たりメーさぁ~。何年マジュンいると思っちょる」
驚いた。嬉しい。
色々ぐちゃぐちゃと混じって、総称してびっくりした。
気持ちを整理するために胸に手を添えて軽く撫でる。本当にびっくりした。
そして知らぬ間に立ち止まっている。太陽に頬が灼けて熱い。
「忘れちょるかと思ってた。会ってもぬーも言わねーらんたんから」
「他ぬ奴らがいたのみぐさぁ~からな」
「なんで?」
「・・・二人きりで言いたかっのみぐさぁ~。
あいつらのメーでウヌ話題に触れようもぬなら、途端に喋る隙を取られる」
それに自分が一番に言いたかったのだと、視線を外されながら言われた。
「じゅんにや日付が変わっのみぐさぁ~今日の始めんかい言おうとうみたんんやしが、
今日がテストやたんから勉強ぬ邪魔んかいなるかと思って携帯を握っのみぐさぁ~まま、
ぐやっさーぐやっさー悩んやっさー末、
朝言おうとうみたんら、考えすぎとテスト勉強で寝坊して会えなくて、なまんかい至る。
メールやてぃん良かっのみぐさぁ~んやしが、どうしてもくぅとばで言いのみぐさぁ~くて。
しちゅんな奴やっさーし、恋人やっし。
一番やっさーとう思ったぬや、
みんなテストで頭が一杯やんやーから、忘れているやんやーと思って」
一気に言われて戸惑った。いや、知弥がこんなに沢山伝えてきたことに戸惑った。
普段喋らないから、分かりやすいように簡潔に直球に言う知弥の言葉は、
気持ちのバロメーターや脳の容量を簡単に超えた。
あ、う、と意味のない言葉を発するのが精一杯で、まともに知弥の目すら見れなくなった。
「おめでとうな、浩一」
軽く頭に乗せられた手に熱が移るんじゃないかと思うほど、頬が紅潮した。
知弥の手がそのまま前髪を掻き分けて、ひらけた額に唇が寄せられる。
小さなリップ音とともに唇が離れた。
「にふぇーでーびる、嬉しい」
すんなりとその言葉だけが出てきて、自分がどんな表情をしているか分からなかったけれど、
知弥が微笑んだのが見えたからきっと笑っていたのだと思う。
今日の午後は全部空いてる。明日は一日中空いてる。
明後日は勉強しなくちゃ駄目だから無理だろうけれど、携帯だってある。
時間は沢山ある。実際にはまったく時間がないのかもしれない。
けれどこの時間だけは、沢山欲しい。
プレゼントが家にある、と知弥に手を引かれ歩き出す。
握り返せば、それ以上の力でまた握りなおされた。
知弥の耳が太陽に灼かれて赤かった。
 
テストが終わった翌日の水曜日、部室で皆にお祝いされた。
提案者は山城だと知念先輩から教えてもらった。
帰りに山城に詫びとお礼を言おうと思いながら、皆と笑い合った。
服の下には知弥からもらったドッグダグが潜みつつ。


あとがき

No.77|比嘉。Comment(0)Trackback()

支配。

2009/08/10(Mon)15:09

不知新
 
やっとのことで追い抜いた知弥に振り返って自慢しようとしたとき、僅かな段差に躓いた。
痛さを髣髴とさせる音が至近距離で聞こえ、
一瞬の思考の後、やはりいたるところを擦りむいた痛みを感じた。
「浩一」
何だか情けなくて、顔を上げて視線を合わすのが嫌だったけれど、
痛さのせいで手を貸してもらわないと立ち上がれなかったため、
ゆっくりと顔を上げ、手を伸ばした。
手が不自然な位置で止まる。
知弥の目が、かち合った視線が、今まで見たことのない強さを孕んでいた。
見下す、という形容が合うのだろうか。
優しさの片鱗も見えず、胸がぶるっと震えた。
見下されたための本能的な強さへの恐怖心なのか、受けたことのない視線への恐怖心なのか、
どちらにしろ恐怖と形容する術しか知らなかった俺は、その時の知弥が怖くて仕方なかった。
その後、優しく手を差し出して、知弥は俺を立ち上がらせてくれた。
  
昔見た知弥の視線を、最近はよく見る。
試合の時、相手に送る視線が、それとよく似ている。
知弥は敵ではなく、むしろ自分の頼もしいパートナーだ。怖くなどない。
しかし時折、その視線を一心に浴びてみたい気がする。
そのために、対戦相手の学校で自分が過ごしていたら、
もし仲間としてではなく知弥と試合できたら、などと「もしも」の話をいくつも考える。
それは恐怖心も好奇心も不安も交え、そして確信を持ちたいがためでもあった。
今思い返せば、あれは知弥の雄としての目だったのだ。
それに胸を震わせた俺のあの時の怖さと形容した感情は、
実は支配される快感を感じ取っていたからではないのだろうか、と。
「知弥、俺が比嘉中に行ってなくて、試合で俺と試合することになったら、本気を出してくれる?」
「何言ってんだ?」
床に寝そべっていた俺を覗き込むように知弥がベッドの上から顔を出した。
ああ、見下ろされている。
「いいから」
「まぁ、お前は強いしな。本気で試合するさ。
それに、試合するのに本気を出さなかったら、相手が誰だろうと失礼だろう」
「そうか。そうだよね」
言葉の後半に本気の意を視線に込めて知弥は答えてくれた。
「その前に、お前がどこかに行くなんてこと、させないがな」
その視線のまま言葉を紡ぐ知弥に、俺はますます逃れられなくなり、支配されていく。

あとがき

No.71|比嘉。Comment(0)Trackback()

好きという言葉。

2009/07/07(Tue)23:37

不知新
 
「知弥、しちゅん」
からとした空はその言葉をかけているかのように晴れ渡り、
風が熱さを持たずに肌を触って行った。
心地よくて目を閉じる。
そんな風のように日常と化し、するりと通り抜けてしまう言葉は、耳に心地よかった。
会うたびに一度はそう伝えてくれる新垣は、幸せと不安を俺に教えてくれる。
通じ合った喜びと、確かめるほどの不安を、俺の名前と自分の感情を唇に乗せて。
毎度ながら新垣だけにそう言ってもらうのも忍びないと思うけれど、
自分の性格ゆえか、どうにも口に出しづらい。
心の底から溢れて止まないほどの想いがあるというのに、心の内でしか言葉にできない。
けれどきっと、新垣が言っている以上に、
そして自分が思っている以上に、愛しい言葉は出来ている。
「あ、知弥、発見」
嬉々として上がる声に、読んでいた本から目を離し、後ろにいた新垣に目を向ける。
目を細め微笑んでいた新垣に、心の中が何かで満ちる。
「しちゅんって言うとさ、笑ったようんかいなる」
ほら、というように「しちゅん」とゆっくり言う唇は、幸せそうに笑った。
自分も口にできれば、こんな風に愛おしそうに笑えるのだろうか。

あとがき

No.70|比嘉。Comment(0)Trackback()

☆七夕絵チャ 新垣と一緒に星に願いましょう。with 比嘉中+α ☆

2009/07/06(Mon)21:39

掲載許可をいただきましたのでログUPです☆
 
開始時間の22:00に、実はスライディング入り(ようは遅刻ギリギリ)をしていた主催者は、
あろうことかサイトからの会場へのリンクを貼り忘れていたということを佐藤さんに
教えていただき、なんとまぁわたわたとリンクを貼りにこちらに戻ってきたり(苦笑)
慌ただしい主催者で申し訳なかったです;;
そんな絵チャの様子をダイジェストでどうぞ=☆ 

開始時間直後から、icy flowerの佐藤さん、ソライロクレヨンの広立さんが
お越しくださいまして、私のテンションは上がりまくり。ひどかった^p^
30分ほどお喋りをして、「じゃあ絵を描きましょうか!」となったとき、
私はまたポカをやらかしまして、佐藤さんの「AAを描いても?」というご質問に
「AAで描いても?」と脳内変換しました^p^(ようするにコラボ)
佐藤さんはご自分で「AAAを描いてもいいですか?」と訊いておられたのに・・・
私の頭の中ってある意味幸せに出来てるんだなぁ、と実感←
それでも佐藤さんも広立さんもいい方々で(本当に!)AAAコラボ(七夕Ver)を
させていただくことに。わーい!
 
それがこちら↓
 
左・淳(広立さん)、中央・新垣(佐藤さん)、右・跡部(荻。)
 
あ、新垣が半脱ぎ…!きゃああ!
始めはみなさんユニフォームで描いていらしたのですが、私が跡部にちょっぴり脱いで
もらいたかったので浴衣で描いていたら、みなさまも浴衣に…!*^v^*
淳も美麗で…うはうはv がとまりませんw
画面左の笹は広立さんが描いてくださりました。すごい。
周りのちみっこいのは、主に私と佐藤さんで描きましたが、始めは広立さんが淳の後ろに
可愛いダーネを連れてこられたので、それじゃあ…と私が忍足を連れてきたのが始まりです。
(忍足は↓の画像より。)
イメージのみで構成された比嘉っ子たち(田仁志だけ普通)は佐藤さんと私の仕業ですw
 

忍足がいるVer
  

あと、これはただのネタなのですが、始めにキャラ割りをし、佐藤さんに新垣の位置を
決めてもらっているときに、<●><●>を私が跡部化させて遊んでいました(笑)
盛大に吹いていただいたようで、よかったですw
 
絵が完成したあとはトークトークトーク!でした。
各自の新垣像やCPイメージについて話したり…新垣から離れてマイナーキャラ話したり^^
(主に私がひどかったと思います)小石川とか錦織とか審判の話も出来て本当嬉しかったです!
あと、広立さんから「リンクしてもいいですか?」とお話中に言われて、
私のテンションは本当もう駄々上がり^▽^
即「こちらもしていいですか!?」と返しちゃいました(笑)
お言葉に甘えてリンクさせていただきました。ありがとうございます!
 
そんなトークの中、「新垣たちにお酒を飲ませたらどうなるんだろう」と唐突な私の言葉に、
広立さん家のしらあらあら達が魅せてくれました!
ログは…こちらでそっとしまっておくことにします(笑)゛
 
そして幼児化新垣という言葉(私発信)に「逆も面白いですよー」と佐藤さんが反応くださいまして
一気に幼稚園パラレルパロディが!
主役は広立さん家の浩二くんでした。(浩二くんはみんな(私と佐藤さん)に愛されてる)
佐藤さんがサイトで短く、尚且つ濃く分かりやすくまとめて書いてくださってるので、
そちらをご参考に。(私にまとめる能力はないので^p^) イメージイラストもありますv
 
で、そんなこんなで楽しんでいると、気がつくと朝の5時!あれ?w
そこから30分ほどお話し、お開きとなりました☆
 
本当ありがとうございました!頼りない、そして慌ただしい主催者ですみませんでした^^;
ドーパミンどばどばで失礼しました(笑)
また何かありましたら、お相手していただけると幸いです☆

これはどうでもいいのですが、

No.69|比嘉。Comment(0)Trackback()