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雑文。

雑記と主にテニプリ&気の向くままのジャンルのSS(ベーコンレタス)を置いています。

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聡い君。(過去サイト作品。)

2008/05/03(Sat)15:51

茶雨(BLEACH)
 
彼は人の気持ち、というか想いに聡い。
犬の嗅覚並みに。
・・・それはさすがに言いすぎかもしれないが。
けれどその聡さは、僕にとっては喜ばしいものではあったが、同時に苦しいものでもあった。
僕はあまり、甘やかされたことがない。
師匠(せんせい)は優しかったが、甘やかされたことがなかったのを、僕は憶えている。
父は、まぁ、もともと甘やかすという概念がなかったと思う。
だから僕は、甘やかされたことがない。
もちろん、彼の隣や近くにいるのは心地がいい。
決して、近くにいるのが嫌なわけではない。
彼は、僕がそう感じていることは理解してくれているみたいだ。
だが、やはり甘えさせたいらしい。
彼は小さな動物なんかが大好きなのだ。
・・・僕は小動物ではないけれど。
彼の聡さには、助けられる反面、困ったものもあった。
さて、どうしよう。
彼のたくましい腕に包まれるのは好きだ。
だが、とても僕からは言い出せなく、いつも彼が気付いて、僕を抱きしめてくれる。
彼の腕の中は安心する。
彼は基本的に抱きしめるのが好きなようで、何かあると僕を抱きしめてくれる。
嬉しいときでも、苦しいときでも。
彼が僕を抱きしめるのは、彼が聡いからだ。
・・・嬉しい、と互いに言葉にしたことはないけれど。
 
「石田」
 
彼の声は良く耳に響く。
低く、安定した声。
この声に流されそうになる時もある。
けれど、恥ずかしさが先に立ってしまうことの方が、確実に多い。
どちらにしろ、僕は甘やかされるのが苦手なのだ。
甘えるのも苦手。
でも、彼は聡い。
そんな気持ちも感じ取ってしまう。
だから僕は甘えさせられる。
・・・少しだけ、強引に。
それにですら、僕は安心してしまう。
僕もそうできたら良いと思う。
彼のように。
 
『そう思わないかい? 茶渡くん』
 


本当に節操がないわね、私!

 

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