一啓(BLEACH)
夕焼け色に染まった教室で一人の男子が外を眺めている。
教室には彼以外に誰もいない。
彼は、待ち人だった。
彼が待っている人物は、生徒指導の先生に呼び出され職員室にいる。
呼ばれた理由は言うまでもなく。
ある日が過ぎてから、彼が待つことは多くなった。
彼の想いが伝わったあの日から。
待つことが多くなったのは、
彼がそれを願ったから。
待つことを。
少しでも長く、
彼といることを・・・。
突然、教室の扉が開く。
扉を開く音に気づいた彼が扉のほうへ目を向けると、そこには彼が待ち望んだ人。
彼は机の上に放ってあったカバンをとっさに掴むと、待ち望んだ人の元へ駆けてゆく。
彼が待ち望んだ人は、彼が待っていた夕焼け色に染まった教室と同じ色の髪を持つ。
そして二人は、帰路につく。
待ち人は、待ち望む。
水啓から最終的に一啓に落ち着いたときの作品です。無節操ですね(笑)
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