知凛
部活の終わった帰り道。知念と平古場は一緒に帰宅していた。
風の良く吹きぬける見晴らしのいい道を、隣り合いながら歩く。
楽しそうに話をする平古場に、その話に微笑みながら聞き、時折相槌を打つ知念の姿は、
もういつものことで見慣れたものだ。
平古場が話すのはクラスメイトのことや部活での話、家であった家族の失敗談などだ。
「でさー・・・」
笑って肩が揺れると、平古場の長い金色の髪が一緒に揺れる。
ふと、話ながら平古場が知念を見上げると、その表情が曇っていることに気がついた。
ゆっくりになっていた知念の足取りは、平古場が止まったことで一緒に止まった。
ぼうっと地面に視線を向けたまま、知念は無言で立ち止まる。
「知念?」
「凛」
「へ? ちょっ、んん!」
急に後頭部を掴まれ、視界に影がかかったかと思うと、キスをされていた。
「…、ぷぱっ! いきなりぬーするんさ、知念!」
「…いや、今唐突にキスってレモン味がするだと言ってた気がして、疑問になって…」
「だからってすんな!」
罵声を浴びせながら平古場は知念の尻に蹴りを入れる。
たたらを踏む知念を尻目に、平古場はズンズンと歩いていってしまう。
昔から、おとなしいかと思えば、自分の気になることは徹底的に行動に移して確かめる癖のある
ヤツだと思っていた…人が見えなかったのは救いだが…こんな往来でされるのは心臓に悪い。
しかも「キスはレモンの味」などと、そんな一昔も前の噂のために、されるなどとは。
「ふらーが…!」
嬉しいようなムカツクような感情が湧きあがって、胸の辺りがムズムズする。
いつの間にか火照っていた頬に風が当たって、いつも以上に風が冷たく感じた。
自分より背の高い知念のことだ、
きっとあの長身に見合った長い脚ですぐ追いついてしまうのだろう。
肩に触れて引き止められたら、もう一度だけ蹴りを入れて許してやろう、と平古場は思った。
足音が近い。
「凛」
風になびいた髪に、知念の手が触れた。
すみません、バレンタイン、ムリでしたorz (こんの根性なしぃぃいい!!)
なので、せっかくの凛の誕生日もありますし、知凛を書くことで許してくださいまし!
というか私、知凛で「すんごい王道にハマったなー、珍しいー!(キャッキャv)」としてたんですが、
あの…世間では凛知のほうが王道なのですか…?
サーチ様にお邪魔させていただくと、どうも凛知のほうが多いんですよね。
完全に私の空回りだったのでしょうか、不思議です。
それよりも、『思惑。』の不知新といい、私は比嘉の受けっこに攻めっこに向かって、
「ふらー」と言わせるのが好きなようです。何で罵倒…(苦笑)
最近は輪をかけてマイナーに磨きがかかってて日々友達に馬鹿にされる毎日です。
不知新と同じくらい、知凛も書けるといいなぁ。
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