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雑文。

雑記と主にテニプリ&気の向くままのジャンルのSS(ベーコンレタス)を置いています。

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建前のおめでとう。

2008/01/26(Sat)22:25

銀謙
 
「あ、あのさ、銀。今日、銀の誕生日やろ? やからさ…ちーとばかしだけ、試さへん?」
紅潮した頬を隠しきれていないが真っ赤な顔をして、じっ、と目を合わせられて言われた言葉に、
銀の頭の中に疑問のマークが幾つも浮かび上がる。
今日が自分の誕生日ということで、
受験シーズンの最中であるにも関わらず祝いに来てくれた恋人から、
つい先ほどきちんとプレゼントは受け取ったし、祝いの言葉も貰った。
今更何を試すと言うのだろうか。
思うが早いか言うが早いか、銀はすぐに疑問を口にしていた。
「試すって、何をや?」
「いや、だから、誕生日やし…」
もごもごと俯きながら喋る謙也に、誕生日で他に何かすることがあったか? 
と考えをめぐらせるが、一向にその答えは出てこない。
そもそも『試す』という言葉自体から、全く何も想像が出来ないのだ。
普段あまり物事に執着しないからやろうか、と心の中で息づいてみるが、
それで言葉の意味が解決されるわけではなく、かといって今、
目の前にいる人物からこれ以上聞き出すのは難しく思えた。
謙也が下を向いていてこちらの行動が見えないことを承知で、その様子を窺う。
さっきは頬だけが紅くなっていたのに、今は耳までほんの薄っすらと紅く染まっていて、
口の中は未だに何かを呟いている。
座高が違うためにその声は聞き取れないのだが、
とりあえず謙也が大声では言えないようなことだろう、とやっと見当がついた。
「謙也」
名を呼んでみれば返って来た声は心なしか裏返っているような気がした。
それはまぁ、急に話しかけられればそうなるだろう。
「な、何や…っ?」
「言いたいことが何なのかはよぅ分からんのやけど、とりあえずワシは何をすればええ?」
相手がしたいことで自分がどう行動すればいいか分からない以上、
相手のしたいようにさせればいいと結論づけた銀は、そう謙也に言い放った。
言われた謙也は今までの紅さとは比べものにならないほど真っ紅になる。
パクパクと金魚のように…しかしものを欲しているのではなくただ驚いて…口を開閉し、
居場所を捜し求める手が空中を彷徨っていた。
あ、だの、わ、だの、焦って上手く言葉が纏まらず自然と漏れ出してしまう言葉に、
恥ずかしくなってまた自分で焦ってしまう。どうしようもないくらい空回りしていて、
変なことを望んだから神様が怒ったのやろか、と本気で心配になった。
それでも、ぎゅ、と目を瞑り何とか自分を落ち着けて息を整えると、
目の前に座る銀に指示を出した。
「…やったら、目ぇ瞑ってくれる?」
「ん」
さっき言った言葉の通り…意味が分かるまでではあるが…全て謙也に任せるつもりなのか、
銀は従順に目を閉じた。
目を閉じたその顔の造形に、きゅ、と謙也の心臓が持っていかれる。
外国人に媚びない日本人特有の格好良さを持った、芯の真っ直ぐとした鼻と、
すこし幅の広い唇。眉は短めだけれども、きっちりと尻の上がった柳眉で。
最初に惹かれたのはこの顔だったと、口端に淡い笑みを乗せた。
その顔は、謙也の視界をどんどんと侵食していった。視界という画面を全て占領したかと思うと、
画面をはみ出しても尚、占領をし続ける。
胡坐を掻いた銀の足に片手を置くとそのまま身を乗りだす。
画面いっぱいにあった銀の顔は自分の瞼で隠された。自分の薄い唇が銀の唇にあたる。
途端、肌を通して、息を詰められたのが分かった。
それでも自分の勇気を一生分使い切る覚悟で幅のある唇を舐め上げる。
何度か角度を変えて唇を合わせたらまた舐め上げて。
心臓がバクバクいっているのも分かるし、
頬が燃え尽きそうなほど紅潮しているのも分かっている。
乗り出した身体を支える腕も緊張で震えていた。
でも、好きな人を触れ合えていることのほうが、謙也にはすごく嬉しいことだった。
自分の唾液で湿った唇たちが触れて離れる際に、
ちゅ、ちゅ、と音を響かせて来た頃、謙也はそっと瞼を上げて銀の様子を窺った。
すると銀鼠色の瞳と視線が合う。
ずっと見られていたのかと驚いて唇を合わせたまま硬直していると、
薄開きになっていた下唇を噛まれた。
その後は肉食獣が獲物を確かめるかのような感じで噛まれた部分を舐められる。
ゆっくりと、時間をかけて。
ゾクゾクと悪寒と似ているけども違う痺れが背筋を通り抜けて、手には無意識に力が入るのに、
脚は自分の言うことを聞かず力が抜けた。そのまま床に座り込んでしまう。
「ぎ、銀…!」
「意味、やっと分かったで」
そう言って小さくキスをしてくる銀に、一気に緊張の糸が切れた謙也は叫ぶ。
「せやかていきなり…っ、あぁもうえぇわ!」
 
真っ紅になって嬉しさと恥ずかしさのあまり縮こまる謙也に、銀は愛おしさを感じる。
こうして自分のために祝いに来てくれたことに。

 
 
 
銀兄ぃ誕生日おめでとう!健全じゃない祝い方でゴメンネ!(その前に遅れたことを詫びろーッ!)
・・・ぐすん。だってもうちょっと規制かけたの書こうと思ってたんだもん!(それもどうだ、お前)
そうしたら見事に間に合いませんでした・・・ていうか謙也すら小説内で「おめでとう」と言ってない。
(言ってもらった)と冒頭では書いてるんですけどねぇ(笑)゛ (笑えません)
あはっ、何かもうあとがき書いていて銀兄ぃに申し訳なくなってきたので・・・、逃げますっ!!
(荻。は銀のことを銀兄ぃ(ぎんにぃ)と呼びます。素でこう呼んでます)
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No.21|四天宝寺。Comment(0)Trackback()

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