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2024/11/22(Fri)08:56
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雑記と主にテニプリ&気の向くままのジャンルのSS(ベーコンレタス)を置いています。
2020/01/01(Wed)00:00
No.62|お知らせ。|Comment(0)|Trackback()
2010/09/13(Mon)00:54
No.79|比嘉。|Comment(0)|Trackback()
2010/06/28(Mon)00:58
98
「おや、お帰りなさい」
ソファに腰掛け本を読んでいた柳生がこちらを向いて言葉をくれた。
すぐさま栞を挟み腰を浮かせて立ち上がろうとするが、
それを止(とど)めて掛けられた言葉と対の言葉を口にする。
両手に持っていたレジ袋を台所に置いて、柳生のそばに近寄る。
「飯、食べたか」
「ええ。珍しく真田君たちに誘われたので、外で」
「そうか」
そう言われてみると微かに酒の匂いがした。
ふわりと笑うので軽く酔っているのだな、と確信する。
髪をくしゃりと撫でると、何ですか、と見上げられた。
なんでもない、とそばを離れて、台所へ行き、
置きっぱなしにしておいた食材たちを冷蔵庫へと移動させ始める。
途中柳生に目を向けると、本の続きに目を走らせていた。
がさがさがさ。ぺら。がさがさ。ぱたん。がさがさがさ。
袋擦れと紙擦れの音だけが響く。
すべて仕舞い終えて、ソファの前にあるローテーブルに手をつきながら座る。
することもないし、柳生の読書の邪魔になっても嫌なのでテレビもつけずにぼーっとしていると、
柳生が身じろぎしたのが視界の端に見えて、視界にとらえたまま無意識に見つめてしまう。
相変わらず姿勢良くきっちりを座って、
酔っているなんて微塵も見せないくらい真剣な顔で本を読んでいた。
柳生はこちらの視線には気づかないようで、ずれた眼鏡を曲げた指の背で持ち上げた。
そしたらなんだか唐突に眼鏡に隠れている目を間近で見たくなって、
ソファににじり寄って手を置き体重をかけると、軋んだ音が立った。
「どうかしましたか?」
身体が傾いたことで気づいたのが、本を閉じて膝の上に置くとこちらを見る。
腕をつっぱってそのまま顔を近づけると、柳生は頬を染めて顔をすこしだけそむけた。
そういう態度をとるなら、とひどく的外れな思いを持ちながら、眼鏡のツルを噛む。
そのままがしがしと甘噛みすると、眼下でいちいちびくびくと反応する柳生が見えた。
時折耳に息が吹きかかるからだ。
がちがちに震えて動かなくなったのを見てから、肩を掴み、こちらに向けた。
実質オレと付き合ってる期間は長い。
初々しいとまではいかないが、慣れてきたとはいえ、柳生はいつまでもこういう行為におびえる。
端的にいえば、恥ずかしがり屋なのだ、柳生は。
「比呂士」
囁くとうっすらと目をあけてこちらを見る。
薄く水膜が張っているのは気のせいではないだろう。
そして、酒と雰囲気に酔っているのは確実だ。
柳生のせっかく開いた目がまたぎゅっと塞がれる。
オレの舌は柳生自身ではなく、眼鏡のレンズの上を這う。
「え、あ、」
今までしたことのない行為におびえ、慌てる柳生。
両方のレンズを幾度か往復してからすこし顔を離して見ると、レンズは唾液でベトベトだった。
それを見た途端、すごい満足感に満たされて、
まだ柳生がおびえてるのをいいことに、レンズに噛んでそのまま眼鏡を外した。
その後は、たがが外れたように、ただただ貪った。
No.78|立海。|Comment(0)|Trackback()
2010/05/24(Mon)00:40
不知新(オールキャラ) (新垣誕生日文)
時間は沢山ある。それはもう山ほど。学校はあるけれど、授業も部活もないのだ。
いや、実際にはまったく時間がないのかもしれない。
「あー」
「ばぁよ、あったんぐぁ~に声出して」
「ぁぁ、わっさん」
眉根を寄せて振り向かせしまった山城に謝る。
いつもなら山城もこんなことで不機嫌になったりはしないが、
周りを見れば山城のように眉根を寄せて唸っている者もいれば、
解放された表情の者もいるのが見える。
「まぁ、ともアリ一日目はぬーとい終わっのみぐさぁ~な。ごくろーさん」
顔に皺が寄っているのを自覚しているのか、
ふっと力を緩め微笑んでから山城は前に向き直った。
担任が教卓に居るのが見えて、来ていたのかと驚いた。
山城がすんなりと前を向いたわけがわかった。
そう、もう今日が始まって半日以上が過ぎているのだ。
甘えだともわがままだともわかってるけれど、
やはり気にくらいかけてほしいと思うのはわがままだろうか。
現在テスト期間真っ最中。
一日目の今日は金曜日で、土日をはさんだ月曜と火曜に残りのテストが控えている。
明日明後日は奇跡的にも休みで、もしかしたら、という希望と期待がふくらむ。
ちなみに何がとは言わないが、
山城が今日中に思い出すとはもう思っていないので、期待はしていない。
「テストご苦労。無事に一日目が終わっのみぐさぁ~が、
土日や気を緩めずきちんと勉強しておくようんかい。係、号令」
「きりーつ、気をつけー、礼」
『さようならー』
途端にがやがやと騒がしくなる教室内に混じり、
山城と言葉を交わしながら昇降口まで降りていく。
いつもならクラスによって時間差があったり、
部活のある人間とない人間によって帰るタイミングが異なるのだが、
今日だけは皆同じ時間に帰るため、昇降口は人でごった返していた。
となればやはり、他学年とも会うわけで。
「あ、新垣」
「じゅんにやっさー」
「山城もいるな」
「ぁ、先輩たちはいさいー」
「やぁ」
「はいさいー」
平古場先輩・甲斐先輩・田仁志先輩・知念先輩が昇降口の扉のところで集まっていた。
挨拶を交わしながら近づいていくと、平古場先輩に頭をぐしゃぐしゃとかき回された。
手を振り払うことも出来ずあたふたしているのに、
甲斐先輩も田仁志先輩も知念先輩も笑うだけで助けてくれそうになく、
山城もどうしたものかと困った顔で笑うだけだ。
ぐちゃぐちゃだなー、とやっと手を離した平古場先輩が言った。
その髪型が恥ずかしいのと、そうしたのは誰だ、と軽い苛立ちに動かされ、
手櫛で簡単に髪を直す。
「何してるんですか君たち」
「お、山城に新垣」
後ろから声を掛けられ振り向くと、主将と知弥が居た。
主将は髪を軽く撫でつけながら平古場先輩たちに目を向けていた。すこし呆れ顔だ。
知弥は山城に挨拶され、挨拶を返している。
「いやぬーも。ぁえて言うなら後輩とぬスキンシップ」
「君のはスキンシップじゃなくて、軽い嫌がらせですよ」
「確かんかいなー」
「そうか?」
悪びれた様子のない平古場先輩に甲斐先輩と田仁志先輩は笑って、
主将と知念先輩はため息を吐く。
平古場先輩と関わるのは好きだけれど、確かにさっきみたいなときにはすこし困る。
あはは、と笑うと、山城が、友達が呼んでいるんで、と言って別れた。
皆で口々に別れの言葉を紡ぐ。
結局山城からは何もなかったな。期待はしていなかったけれどすこし淋しい。
「で、君たちは帰らないんですか」
「お、じゃぁけーるか」
「やー」
「帰りんかい佐世保バーガー買っていくばーよ」
「慧くん、ヤーん家お昼あるゃん」
「やしが腹減っにみぐさぁ~もんよ」
「けーるか、新垣」
「うん」
連れられ皆で帰ることになった。
部活がある日と変わらないメンツにちょっとだけ笑った。
それと、この帰り道に誰かが自分の期待している話題に触れないか、
最後の賭けのつもりでもあった。
このあと、今日このメンバーに会うことはないから。
がやがやと雑談しながらいつもの道を通って、
田仁志先輩が言っていた佐世保バーガーは今日は買わずに歩いて、
分かれ道ですこしずつ皆別れていって、
最後はいつも通り、家が隣の知弥と二人になった。
途中、期待していた話題には触れられずに終わった。
昼過ぎの強い日差しが視界を灼く。
期待の気持ちが太陽に焦がされてさらさらな灰になって消える気がしてくる。
「やてぃん、まさか先輩たちとけーるくとぅんかいとなるとや思わねーらんたんな」
「まぁな」
もういいか、と諦めながら知弥と言葉を交わしながら歩く。
知弥は元々口数の多いほうではないから、二人きりになると自然と自分が喋ることになる。
けれども昔からの仲なのでそれは決して苦ではない。
話題がなくなれば黙っていても平気だし、それが通用するからずっと居ても安心できる。
本当は一番気がついてほしい人物なので今日ばかりは喋って欲しいが、
自分からその話題を振るのは強請っているようでいやだった。
そう思ったつかの間、思考に耽ったために黙ってしまって、わずかな沈黙が生まれた。
何を話そうとしたのかさえ、沈黙が連れ去ってしまった。
「そういえば」
知弥が言葉を紡いだ。
すこしばかり慌てていたので助かった。
「ちゅーとぅしびーやたんな、おめでとう」
「覚えてたの?」
「当たりメーさぁ~。何年マジュンいると思っちょる」
驚いた。嬉しい。
色々ぐちゃぐちゃと混じって、総称してびっくりした。
気持ちを整理するために胸に手を添えて軽く撫でる。本当にびっくりした。
そして知らぬ間に立ち止まっている。太陽に頬が灼けて熱い。
「忘れちょるかと思ってた。会ってもぬーも言わねーらんたんから」
「他ぬ奴らがいたのみぐさぁ~からな」
「なんで?」
「・・・二人きりで言いたかっのみぐさぁ~。
あいつらのメーでウヌ話題に触れようもぬなら、途端に喋る隙を取られる」
それに自分が一番に言いたかったのだと、視線を外されながら言われた。
「じゅんにや日付が変わっのみぐさぁ~今日の始めんかい言おうとうみたんんやしが、
今日がテストやたんから勉強ぬ邪魔んかいなるかと思って携帯を握っのみぐさぁ~まま、
ぐやっさーぐやっさー悩んやっさー末、
朝言おうとうみたんら、考えすぎとテスト勉強で寝坊して会えなくて、なまんかい至る。
メールやてぃん良かっのみぐさぁ~んやしが、どうしてもくぅとばで言いのみぐさぁ~くて。
しちゅんな奴やっさーし、恋人やっし。
一番やっさーとう思ったぬや、
みんなテストで頭が一杯やんやーから、忘れているやんやーと思って」
一気に言われて戸惑った。いや、知弥がこんなに沢山伝えてきたことに戸惑った。
普段喋らないから、分かりやすいように簡潔に直球に言う知弥の言葉は、
気持ちのバロメーターや脳の容量を簡単に超えた。
あ、う、と意味のない言葉を発するのが精一杯で、まともに知弥の目すら見れなくなった。
「おめでとうな、浩一」
軽く頭に乗せられた手に熱が移るんじゃないかと思うほど、頬が紅潮した。
知弥の手がそのまま前髪を掻き分けて、ひらけた額に唇が寄せられる。
小さなリップ音とともに唇が離れた。
「にふぇーでーびる、嬉しい」
すんなりとその言葉だけが出てきて、自分がどんな表情をしているか分からなかったけれど、
知弥が微笑んだのが見えたからきっと笑っていたのだと思う。
今日の午後は全部空いてる。明日は一日中空いてる。
明後日は勉強しなくちゃ駄目だから無理だろうけれど、携帯だってある。
時間は沢山ある。実際にはまったく時間がないのかもしれない。
けれどこの時間だけは、沢山欲しい。
プレゼントが家にある、と知弥に手を引かれ歩き出す。
握り返せば、それ以上の力でまた握りなおされた。
知弥の耳が太陽に灼かれて赤かった。
テストが終わった翌日の水曜日、部室で皆にお祝いされた。
提案者は山城だと知念先輩から教えてもらった。
帰りに山城に詫びとお礼を言おうと思いながら、皆と笑い合った。
服の下には知弥からもらったドッグダグが潜みつつ。
No.77|比嘉。|Comment(0)|Trackback()
2010/01/03(Sun)21:47
No.76|バトン。&素材。|Comment(0)|Trackback()